上富良野生まれのホップ「ソラチエース」欧州ビールを席巻
先日来、と言いましても、先週の金曜日頃からになります、私ども、北海道、上富良野(かみふらの)町出身者にはちと懐かしい話で盛り上がっております。その話題の主は、ホップ、あのビールの”苦味香料づけ”に使われる植物の”ホップ”のことなのです。それで、私、ふらぬい、何度かホップのことをブログに認めましたが、またまたブログに認めることになりました。
きっかけは、私、ふらぬいの友人からのメール連絡でした。「こんなこと知っていますか」とメール文面にありました。そして、メールに貼付された資料内容(北海道新聞記事)は、以下のように、我がふるさと北海道上富良野生まれのホップのことを記述しておりました。
平成28年1月21日の北海道新聞に”上富良野生まれのホップ 「ソラチ」 欧州ビール席巻 30年前 サッポロが席巻”とのタイトル記事【ロンドン舟崎雅人氏署名】が掲載されました。
その記事を引用します。
---Quote
(北海道)上川管内上富良野町にあるサッポロビールの研究所で約30年前に開発された新種ホップ「ソラチエース」が、欧州のクラフトビール(地ビール)市場を席巻している。苦味を持ちながらもレモンに似た強い香りを放つ特徴が世界的にも珍しいとして、英国、フランス、アイルランド、ベルギーなど少なくとも160の小規模醸造メーカーが使う。「ソラチ(空知)」の名前がブランドになっている。
「独創的な味でとても人気があるわよ」。ロンドン中心部にあるビール専門店のケイトリン・ティエールニーさん(31)は、ソラチエースを使ったビールの評判をこう語る。昨年製造を始めたアイルランドのカルローブリューイングは、これまで4万ボトルを販売。醸造担当のコナー・ドナヒューさん(28)は「苦味とアロマの香りの組み合わせが絶妙だ。手に入るホップの中で最も興味をそそられる」と絶賛する。
英国でソラチエースを扱うホップの大手卸会社は、国内で130、他の欧州各国にある30の醸造メーカーに供給している。英国以外で扱う卸会社もあることから、実際には欧州全体で160カ所以上で使われているとみられる。
サッポロホールディングス(HD)によると、ソラチエースは上富良野町の原料試験場(現バイオ研究開発部北海道原料研究センター)が開発し、1984年に品種登録した。名称は同町の郡名「空知郡」から取った。ただ、マイルドな香りを持つ別のホップが製品化され、ソラチエースは試験醸造にとどまったまま、99年に登録が失効した。
ところが、94年にホップ育種の世界的権威が当時いた米オレゴン州立大に研究のため送った苗が、しばらくたった後、特徴ある味と香りを出せる品種であるとして米国で注目され始めた。2007年ごろから米ワシントン州で大規模生産が始まり、ここ数年で欧州に人気が広がった。
---Unquote
引用終わりです。
なんと、ふらぬいの故郷、北海道空知(そらち)郡上富良野(かみふらの)町原産(つまり、日本生まれ)のホップが、アメリカ育ちのホップ(つまり、アメリカ産ホップ)に名前を変えて(名前はそのまま「ソラチエース」で、変わってはおりません)、本場欧州ビールを席巻中なのですと・・・。
驚きましたね。
でも、北海道のホップは、北海道に自生のホップはありましたが、欧州(ドイツやチェコ)から持ち込んだホップが北海道の気候にあったこと、そして栽培農家や農業技術者の手により日本のホップとして品種改良されていったのですね。そして、明治、大正、昭和と日数を重ね、「ソラチエース」が誕生、1984年に品種登録され、「ソラチエース」ホップでもってビールの試験醸造まで行われたのです。が、「ソラチエース」はあまり日の目を見ず、1999年に登録が失効したのでした。
しかしながら何らかの経緯で、ホップ育種の世界的権威が当時いた米オレゴン州立大に研究のため送ったとあります、その苗は海を渡り、アメリカで保存されていたのでしたね。しばらくたった後、特徴ある味と香りを出せる品種であるとして米国で注目され始め、2007年ごろから米ワシントン州で大規模生産が始まり、ここ数年で欧州に人気が広がり、欧州人の好みにも合致し、欧州ビールを席巻しつつある状況になっているようです。なんと素晴らしいことでしょうか。
私、ふらぬい、ビールにも造詣?が深く、ホップにはかなり興味がありました。皆さんの中では北海道で「サッポロCLASSICふらのVINTAGEふらのスペシャル」と言う名のビールを飲まれた方もおられると思います。私もかってブログで取り上げたことがあります。そのビールに使われているホップが、「ふらのスペシャル」と言います、その「ソラチエース」を品種改良したものなのだそうです。(当時のブログにはそこまで記述はしておりませんでした)
でも、今では欧州ビールを席巻しているアメリカ産ホップの「ソラチエース」が友人のメールで、上富良野オリジナルとわかり、欧州ホップが日本で品種改良されアメリカに渡り、巡り巡って欧州ビールのホップに使われているのはこれも面白いことではないかと考えたのですね。ただ、私、ふらぬいが欧州を旅行したのは2003、4年くらいまででしたから旅行先で飲んだ欧州ビールに「ソラチエース」ホップは使われていなかったのが残念ですけどね。
その、上富良野生まれのホップ、「ソラチエース」の「ソラチ」、「空知」ですが、空知郡上富良野町の住人にとってはあまり口に出して使わない固有名詞なのですけどね。それなのになぜ「ソラチ」、「空知郡」が上富良野町の住所になっているかです。
「ソラチ」と言いますと北海道の旧空知支庁、現在は空知総合振興局の名称に変わっています、その空知(そらち)を表現します。北海道出身者で「ソラチ」「空知」と言えば、大都市は岩見沢(いわみざわ)市などですから、我が故郷の富良野、上富良野の住民は思い浮かべないでしょう。でも確かに、北海道上富良野町の郵便の住所は空知郡上富良野町になるのです。しかしながら上富良野町は旧上川(かみかわ)支庁、現上川総合振興局に属します。なぜ上富良野町は上川支庁に属すのに空知郡と郵便の住所になるかと言いますと、北海道開拓の歴史にさかのぼるのだそうです。
北海道空知支庁は明治30年、1897年にできたのだそうです。石狩国空知支庁でありました。その時には、わが富良野村(現富良野市、上富良野町、中富良野町、南富良野町から構成されます)は空知支庁に属していたのですね。明治32年、1899年に富良野村が上川支庁に移管され、その後ずっと上川支庁、現上川総合振興局に属することになったのです。
もちろん、品種登録された1984年には上富良野町は上川支庁に所属しておりまして、空知郡の名称が上富良野の郵便の住所には付いておりますが、当時は富良野(ふらの)の名称があのTVドラマ「北の国から」でメジャーにもなっておりまして、その名称、つまり「フラノエース」を品種登録して、もう一つの新品種に、この「ソラチエース」を使ったのだそうです。上川支庁の「カミカワ」は同名の町があるから使えない。さらに上富良野の名峰十勝岳の「トカチ」も使えず、やむなく空知郡の「ソラチ」を使ったものと思われますね。
その「ソラチエース」ホップは日本では、「フラノ18号」、「フラノスペシャル」に品種改良され日本のビールに使われているそうなのです。つまり「フラノなんたら」ホップが日本では生き残ったのでした。
でも、日本生まれ、北海道上富良野生まれのホップがアメリカに渡り、日本ではその名称、既に忘れ去られているのに、なんと、30年後に欧米のビールを席巻していると聞いたら嬉しいじゃありませんか。輸入ビールにもし「ソラチエース」ホップが使用されていることが分かったら飲んでみたいものです。
私、ふらぬい、故郷北海道上富良野のホップについて何度かブログに書き留めましたが、もしかしたら「ホップ」って何? と仰る方もおられるかも知れませんので、上富良野ホップのページを貼り付けます。
上富良野ホップのページ
http://www.kamifurano.jp/nature/hop
もちろん、今回ブログで取り上げた「フラノエース」の話は掲載されておりませんからね。あしからず。
日本のホップについてはこちらをご覧ください。
http://blogs.yahoo.co.jp/brillat_savarin_1/26777734.html
上富良野生まれのホップ「ソラチエース」欧州ビールを席巻しているとのブログでした。
きっかけは、私、ふらぬいの友人からのメール連絡でした。「こんなこと知っていますか」とメール文面にありました。そして、メールに貼付された資料内容(北海道新聞記事)は、以下のように、我がふるさと北海道上富良野生まれのホップのことを記述しておりました。
平成28年1月21日の北海道新聞に”上富良野生まれのホップ 「ソラチ」 欧州ビール席巻 30年前 サッポロが席巻”とのタイトル記事【ロンドン舟崎雅人氏署名】が掲載されました。
その記事を引用します。
---Quote
(北海道)上川管内上富良野町にあるサッポロビールの研究所で約30年前に開発された新種ホップ「ソラチエース」が、欧州のクラフトビール(地ビール)市場を席巻している。苦味を持ちながらもレモンに似た強い香りを放つ特徴が世界的にも珍しいとして、英国、フランス、アイルランド、ベルギーなど少なくとも160の小規模醸造メーカーが使う。「ソラチ(空知)」の名前がブランドになっている。
「独創的な味でとても人気があるわよ」。ロンドン中心部にあるビール専門店のケイトリン・ティエールニーさん(31)は、ソラチエースを使ったビールの評判をこう語る。昨年製造を始めたアイルランドのカルローブリューイングは、これまで4万ボトルを販売。醸造担当のコナー・ドナヒューさん(28)は「苦味とアロマの香りの組み合わせが絶妙だ。手に入るホップの中で最も興味をそそられる」と絶賛する。
英国でソラチエースを扱うホップの大手卸会社は、国内で130、他の欧州各国にある30の醸造メーカーに供給している。英国以外で扱う卸会社もあることから、実際には欧州全体で160カ所以上で使われているとみられる。
サッポロホールディングス(HD)によると、ソラチエースは上富良野町の原料試験場(現バイオ研究開発部北海道原料研究センター)が開発し、1984年に品種登録した。名称は同町の郡名「空知郡」から取った。ただ、マイルドな香りを持つ別のホップが製品化され、ソラチエースは試験醸造にとどまったまま、99年に登録が失効した。
ところが、94年にホップ育種の世界的権威が当時いた米オレゴン州立大に研究のため送った苗が、しばらくたった後、特徴ある味と香りを出せる品種であるとして米国で注目され始めた。2007年ごろから米ワシントン州で大規模生産が始まり、ここ数年で欧州に人気が広がった。
---Unquote
引用終わりです。
なんと、ふらぬいの故郷、北海道空知(そらち)郡上富良野(かみふらの)町原産(つまり、日本生まれ)のホップが、アメリカ育ちのホップ(つまり、アメリカ産ホップ)に名前を変えて(名前はそのまま「ソラチエース」で、変わってはおりません)、本場欧州ビールを席巻中なのですと・・・。
驚きましたね。
でも、北海道のホップは、北海道に自生のホップはありましたが、欧州(ドイツやチェコ)から持ち込んだホップが北海道の気候にあったこと、そして栽培農家や農業技術者の手により日本のホップとして品種改良されていったのですね。そして、明治、大正、昭和と日数を重ね、「ソラチエース」が誕生、1984年に品種登録され、「ソラチエース」ホップでもってビールの試験醸造まで行われたのです。が、「ソラチエース」はあまり日の目を見ず、1999年に登録が失効したのでした。
しかしながら何らかの経緯で、ホップ育種の世界的権威が当時いた米オレゴン州立大に研究のため送ったとあります、その苗は海を渡り、アメリカで保存されていたのでしたね。しばらくたった後、特徴ある味と香りを出せる品種であるとして米国で注目され始め、2007年ごろから米ワシントン州で大規模生産が始まり、ここ数年で欧州に人気が広がり、欧州人の好みにも合致し、欧州ビールを席巻しつつある状況になっているようです。なんと素晴らしいことでしょうか。
私、ふらぬい、ビールにも造詣?が深く、ホップにはかなり興味がありました。皆さんの中では北海道で「サッポロCLASSICふらのVINTAGEふらのスペシャル」と言う名のビールを飲まれた方もおられると思います。私もかってブログで取り上げたことがあります。そのビールに使われているホップが、「ふらのスペシャル」と言います、その「ソラチエース」を品種改良したものなのだそうです。(当時のブログにはそこまで記述はしておりませんでした)
でも、今では欧州ビールを席巻しているアメリカ産ホップの「ソラチエース」が友人のメールで、上富良野オリジナルとわかり、欧州ホップが日本で品種改良されアメリカに渡り、巡り巡って欧州ビールのホップに使われているのはこれも面白いことではないかと考えたのですね。ただ、私、ふらぬいが欧州を旅行したのは2003、4年くらいまででしたから旅行先で飲んだ欧州ビールに「ソラチエース」ホップは使われていなかったのが残念ですけどね。
その、上富良野生まれのホップ、「ソラチエース」の「ソラチ」、「空知」ですが、空知郡上富良野町の住人にとってはあまり口に出して使わない固有名詞なのですけどね。それなのになぜ「ソラチ」、「空知郡」が上富良野町の住所になっているかです。
「ソラチ」と言いますと北海道の旧空知支庁、現在は空知総合振興局の名称に変わっています、その空知(そらち)を表現します。北海道出身者で「ソラチ」「空知」と言えば、大都市は岩見沢(いわみざわ)市などですから、我が故郷の富良野、上富良野の住民は思い浮かべないでしょう。でも確かに、北海道上富良野町の郵便の住所は空知郡上富良野町になるのです。しかしながら上富良野町は旧上川(かみかわ)支庁、現上川総合振興局に属します。なぜ上富良野町は上川支庁に属すのに空知郡と郵便の住所になるかと言いますと、北海道開拓の歴史にさかのぼるのだそうです。
北海道空知支庁は明治30年、1897年にできたのだそうです。石狩国空知支庁でありました。その時には、わが富良野村(現富良野市、上富良野町、中富良野町、南富良野町から構成されます)は空知支庁に属していたのですね。明治32年、1899年に富良野村が上川支庁に移管され、その後ずっと上川支庁、現上川総合振興局に属することになったのです。
もちろん、品種登録された1984年には上富良野町は上川支庁に所属しておりまして、空知郡の名称が上富良野の郵便の住所には付いておりますが、当時は富良野(ふらの)の名称があのTVドラマ「北の国から」でメジャーにもなっておりまして、その名称、つまり「フラノエース」を品種登録して、もう一つの新品種に、この「ソラチエース」を使ったのだそうです。上川支庁の「カミカワ」は同名の町があるから使えない。さらに上富良野の名峰十勝岳の「トカチ」も使えず、やむなく空知郡の「ソラチ」を使ったものと思われますね。
その「ソラチエース」ホップは日本では、「フラノ18号」、「フラノスペシャル」に品種改良され日本のビールに使われているそうなのです。つまり「フラノなんたら」ホップが日本では生き残ったのでした。
でも、日本生まれ、北海道上富良野生まれのホップがアメリカに渡り、日本ではその名称、既に忘れ去られているのに、なんと、30年後に欧米のビールを席巻していると聞いたら嬉しいじゃありませんか。輸入ビールにもし「ソラチエース」ホップが使用されていることが分かったら飲んでみたいものです。
私、ふらぬい、故郷北海道上富良野のホップについて何度かブログに書き留めましたが、もしかしたら「ホップ」って何? と仰る方もおられるかも知れませんので、上富良野ホップのページを貼り付けます。
上富良野ホップのページ
http://www.kamifurano.jp/nature/hop
もちろん、今回ブログで取り上げた「フラノエース」の話は掲載されておりませんからね。あしからず。
日本のホップについてはこちらをご覧ください。
http://blogs.yahoo.co.jp/brillat_savarin_1/26777734.html
上富良野生まれのホップ「ソラチエース」欧州ビールを席巻しているとのブログでした。
この記事へのコメント